青葉メディカルケアクリニック
本八幡駅すぐグランデヒロ本八幡2F

生活習慣病

生活習慣病とは

過食や偏食、運動不足、睡眠障害、嗜好品(タバコ・お酒など)等の過剰摂取や生活習慣の不摂生などが原因で起こる慢性疾患が生活習慣病です。生活習慣病の代表的な疾患には、糖尿病をはじめ、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、痛風(高尿酸血症)などがあります。

高血圧

高血圧とは

生活習慣病

血液を血管に送り出す際にポンプのように伸縮しているのが心臓ですが、血液が流れるときに血管にかかる圧力が血圧です。血圧には収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)があり、それぞれの数値を測定します。

収縮期とは

心臓が収縮し全身の血管に血液を送った際に、血管にかかる圧力です。

拡張期とは

心臓が次の収縮に向け一度拡張した際に、血管にかかっている圧力です。

高血圧と合併症

高血圧の分類

高血圧と判断される数値は、最高血圧が140mmHg以上あるいは最低血圧が90mmHg以上の場合(外来時の測定)です。血圧の高い状態が常に続くと、血管の壁が圧力によるダメージを受けます。これにより血管壁が厚くなったり、硬くなったりする動脈硬化の原因になり、さらに狭心症や心筋梗塞、心肥大や心不全、脳卒中、腎臓病などを起こしやすくするのです。いまに比べあまり良い薬がなかった時代では、高血圧およびその合併症で亡くなる方もいたため「悪性」高血圧といった名前で呼ばれたケースもありました。現在でも放置すれば徐々に無症状で進行しするため、重症で治らない高血圧や不可逆的な臓器障害を引き起こします。これが高血圧が「沈黙の暗殺者」と呼ばれている所以です。たかが高血圧と思われがちですが、されど高血圧なのです。漫然となんとなく薬物治療を続けることも良いとは言えません。血圧値という「量的」コントロールはもちろんですが、その背景にある見えない部分、すなわち「質的」コントロールも十分に行わなければ将来にリスクを残すことになります。治療を始めるにあたっては、まずはなにが原因かきちんと評価し、いまどんな治療すべきかを検討することをお勧め致します。

高血圧の分類

血圧は個々で様々であり、また個人の中でも様々(測定条件・日内変動・日間変動・季節間変動など)であり、その血圧が病的意義をもつか否かの判断をすることは容易ではありません。まずはその血圧が治療をする必要があるのかを、十分に検討する必要があります。当院では問診・診察・検査を行い、原因の検証・特定を行い、また合併症の評価も行い個々に合わせた治療を検討していきます。この過程では必ず二次性高血圧(後述)の評価も行います。診断基準に満たない軽度の状態やグレイゾーンな検査結果でも、軽視せずに検討します。血圧コントロール目標もガイドラインに準じますが、個々にあわせプラスアルファの調整を検討します。

高血圧の原因

  • 遺伝(高血圧遺伝子・肥満遺伝子・時計遺伝子の異常)
  • 非安静時測定
  • 季節性変動
  • ストレス(肉体的・精神的)
  • 食事(高食塩・高脂肪食・高カロリー食など)
  • 肥満(インスリン抵抗性)
  • 運動不足(筋力低下・フレイル)
  • 睡眠障害(不眠・睡眠時無呼吸)
  • 喫煙、過剰な飲酒
  • ホルモン異常(内分泌疾患など)
  • 動脈硬化(加齢・性・閉経など)
  • 糖尿病・脂質異常・高尿酸血症
  • 腎臓病(腎実質性・腎血管性・遺伝性疾患)
  • 慢性炎症性疾患(リウマチなど)
  • 薬剤(漢方・ピル・一部の向精神薬・ステロイド・鎮痛薬など)
  • 有害重金属の貯留(鉛・水銀・カドミウムなど)

二次性高血圧

原因がわからないとされる高血圧を一次性(本態性)高血圧と呼ばれ、多くの方が該当します。一方、原因が特定される高血圧もあり、これを二次性高血圧と呼びます。

主な疾患

これらは原因を根治させると血圧が治癒あるいは改善する可能性があります。しかし診断が遅れると高血圧の重症化や本態性高血圧より深刻な合併症を高率に発症しやすくなるので、早期発見が極めて重要です。

治療の基本は食事療法

食事療法

高血圧の原因は様々で、二次性高血圧以外では遺伝的要因、食生活(塩分・脂質の摂り過ぎ)や嗜好品(タバコ・お酒など)の過剰摂取、睡眠障害、運動不足や精神的ストレスなどの環境要因が重なることによって引き起こされると考えられています。

治療については、食事療法がとても重要です。まず食塩摂取量を1日6g未満に抑えて、栄養バランスの摂れた食生活になるよう努めます。食塩感受性高血圧という状態があり、減塩することで改善するものをさします。逆に食塩非感受性高血圧という状態もあり減塩のみでは改善しないケースですが、それでも塩分による直接的な臓器障害が引き起こされることが知られており、いずれにしても減塩は基本であり必須です。
次に適正体重を維持するようにします。肥満は脂肪や塩分貯留により多くの悪玉物質が生まれ、心臓はじめ全身血管・臓器の負担につながりますので、食事療法を主軸に適正な体重(BMI25未満)に戻し、適度な運動(1回30~60分以上、週に3回以上の有酸素運動)を継続的に行うようにします。

このような食事療法や運動療法で改善効果がみられない場合は、薬物療法が用いられます。高血圧の治療薬は大きく分けて、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)、カルシウム拮抗薬(CCB)、利尿薬、β遮断薬の5種類になります。重症例では初回より薬物治療を行うこともあります。ひとつの薬で血圧が十分に下がらない場合は、複数の薬を組み合わせて処方されることがあります。

血圧管理目標値

診察室血圧 家庭血圧
・75歳未満の成人
・脳血管障害患者
(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞なし)
・冠動脈疾患患者(蛋白尿陽性)
・糖尿病患者
・抗血栓薬服用中
130/80mmHg 125/75mmHG
・75歳以上の高齢者
・脳血管障害患者
(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞あり、または未評価)
・慢性腎臓病患者(蛋白尿陰性)
140/90mmHg 135/85mmHg

高血圧治療ガイドライン2019

血圧管理目標は、最新のガイドライン(2019年版)で上記となっております。
昨今のエビデンスにより、厳格に管理することが求められております。
75歳未満の成人の方、そして特に糖尿病や腎臓病で尿蛋白が陽性・検出される方は、将来的な高血圧の重症化や合併症発症リスクを予防する観点から、家庭血圧で125/75mmHg未満としなければなりません。

治療抵抗性高血圧

学会の定義では、利尿薬を含む3種類の降圧薬を内服しているにも関わらずコントロールできない高血圧のことです。

主な原因・状態

狭義では、特に生活習慣が是正され薬物内服も遵守されているにも関わらずコントロールされないケースです。もし当てはまる場合は、さらなる重症化や合併症を発症する前に諦めずに精査する必要があります。

こんな方に受診をお勧めします

  • 最近急に血圧が上がってきた
  • 自分の高血圧の本当の理由を知りたい
  • 下の血圧だけが下がらない
  • 上(下)の血圧が高い
  • 薬が効かない(効かなくなった)
  • 薬を減らせないか相談したい
  • 減塩しているのに下がらない
  • 本当に治療する必要があるか知りたい
  • 本当に減塩すべきなのか知りたい
  • 家族に高血圧・合併症に患った人がいるので心配

肥満

肥満とは

肥満

肥満は、体重が適正体重を超えてしまっていて、体に必要以上の脂肪を蓄えている状態を言います。

なかでも内臓まわりに脂肪が溜まっていて、お腹がぽっこり出ている「内臓脂肪型肥満」の方は、血糖、血圧、血中脂質値などの異常を来たしやすく、その結果、糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病が重なりやすいことが知られています。

内臓脂肪型肥満を認め、加えて血圧・血糖・血中脂質のうちの2つ以上が基準値を超えているような場合は「メタボリックシンドローム」(内臓脂肪症候群)と診断されます。

メタボリックシンドロームの診断基準

日本内科学会、日本動脈硬化学会など8学会による合同基準
腹部肥満 ウエストサイズ 男性85cm以上 女性90cm以上
中性脂肪値・HDLコレステロール値 中性脂肪値 150mg/dl以上
HDLコレステロール値 40mg/dl未満
(いずれか、または両方)
血圧 収縮期血圧(最高血圧) 130mmHg以上
拡張期血圧(最低血圧)  85mmHg以上
(いずれか、または両方)
血糖値 空腹時血糖値 110mg/dl以上

自覚症状がないのも特徴のひとつですが、簡単に判定する基準として腹囲測定があります。その方法ですが、おへその位置で腹囲を測定します。その結果、男性で85cm以上、女性で90cm以上の腹囲がある場合は、メタボリックシンドロームの疑いがあるとされ、さらに血圧、血糖値、血中脂質の項目で2つ以上基準値を超えている場合、メタボリックシンドローム(メタボ)と診断されます。

動脈硬化が進展しやすくなる

メタボリックシンドロームの患者様では、血糖、血圧、血中脂質などの値がそれほど異常でなくても、それらが重なることによって動脈硬化が一層進展しやすくなり、ひいては心筋梗塞や脳血管障害など、生命にもかかわる心血管事故が起こるリスクを高くしてしまいます。
このような疾患概念は、自動車社会かつ飽食の時代となることと共に徐々に問題となっており、50-60年前にはすでに学者の間でも指摘されておりました。1980年代には「Syndrome X」や「死の四十奏」と命名され全世界でセンセーションを巻き起こし、これにはインスリン抵抗性や血管炎症が強く関連していることが示され、以降WHO(世界保健機関)が「メタボリックシンドロームの名称および診断基準を示し現在に至ります。普段の検査ではなかなか行われず知ることのできない高インスリン血症は、無症状で進行し様々な病態・合併症を生じます。現在では脂肪肝や肥満関連腎症などに罹患する方も多く、心臓以外の全身臓器がドミノ方式に倒れていくことが示され、早急な介入が必要です。

メタボと診断された場合、日頃の生活習慣を速やかに改善する必要があります。改善方法としては、バランスの摂れた食生活、適正な体重(BMI25未満:BMI=体重÷身長の2乗)に戻す、適度な運動を生活に取り入れるといったことなどを行います。糖尿病の項目にも記しましたが、糖質制限は重要であり、同時に良質な脂質・タンパク質の摂取、野菜・魚などからビタミン・ミネラルを摂取することが必要です。
痩せ薬といった“魔法”の薬はなく、地道な努力が必要ですので長期的な計画を立てて治療していく必要があります。

痛風・高尿酸血症

痛風と尿酸

痛風

尿酸はヒトにおけるプリン代謝の最終生成物です。プリンとは我々の遺伝子情報であるDNA・RNAに含まれる成分にある一構造のことで、それらを含むものを総称してプリン体といいます。尿酸は肝臓で代謝・生成され、腎臓で濾過されて尿中に排泄されます。

本来、尿酸には抗酸化作用があり、ヒトではビタミンC合成をできない代わりとしてその役割を担っています。尿酸は水に溶けにくい性質で、血液中では尿酸塩として存在しています。この尿酸塩が過剰な状態を高尿酸血症と言うのですが、この病気になると針状の尿酸塩の結晶が析出し体のあちこちに溜まっていき、特に足の親指・膝などが赤く腫れて激しい痛みを引き起こします。これが痛風です。この痛みはとても耐え難く、多くの患者様はこの症状が出たことで来院される場合がほとんどです。
また、最近では心血管障害や腎不全、動脈硬化の原因になることも明らかとなっており、痛風だけでなく尿酸値にも注意をする必要があります。尿酸値が高くなり腎臓で濾過しきれなくなってくると、徐々に腎臓の働きそのものが悪化してきてしまうので、早めの対応が必要です。

高尿酸血症の治療方針

≫ 高尿酸血症 診療ガイドライン について詳しくはこちら

高尿酸血症の原因にはタイプが2つあります。
一つは尿酸を体内で過剰に作ってしまうタイプで、肝臓で合成が亢進しているものです。特にメタボリックシンドローム・肥満・遺伝などで主に起こります。もう一つは尿酸の体外への排泄が低下しているタイプで、日本人では多いとされます。主に腎臓から尿中への排泄が低下していることが原因であり、腎機能障害のある方は特に注意が必要です。

治療について

治療につきましては、まず尿酸値を下げることが重要です。それには食事療法として、尿酸の元となるプリン体(レバー類、干し椎茸、魚卵類、えび、かつお、いわし、アルコール飲料など)や糖質(特に果糖)を多く含む食品の摂取を控えめにするほか、バランスのとれた食事を摂ることに努めます。尿中排泄が多いケースでは、尿をアルカリ化することで尿酸が溶解しやすい状況を作ることがよいといわれています。そのためには、野菜・海藻・キノコ類を摂取することをお勧めします。
改善を認めない症例や既に著しい尿酸値を認める症例、あるいは痛風(ただし、非発作時のみ)を認める症例では尿酸の生成を抑制する薬、尿酸の排泄を促す薬などが処方されます。いずれにしても、やはり検査で原因を評価してから治療法を検討することが重要です。

※高尿酸血症・痛風の本当の原因は?

痛風といえばプリン体、ビール・お酒を想起される方は多いはず。
確かにビールは様々な経路でプリン体生成を増やし、排泄を抑制します。
しかし、飲酒していない人でも高尿酸血症は多いのも事実です。その原因は果糖(フルクトース)と考えらています。果糖は果物に多く含まれ、また近年ではブドウ糖果糖液糖としても多くの食べ物・調味料に含まれています。フルクトースはグルコースなどと違う代謝経路で肝臓に入り、(血糖を上げることなく)脂肪に変わります。そして同時にプリン体を増やすので、尿酸値を上げることがわかっています。
歴史的にも、痛風患者が日本で見られ始めたのは戦後本格的に食事が欧米化した1960年以降であり、現在まで年々増加の一途を辿っていますが、ビールが盛んになった明治時代から戦後までは見られなかったのです。

脂質異常症

脂質異常症とは

脂質異常症

LDLコレステロール(悪玉)や中性脂肪(トリグリセライドなど)といった血液中の脂質の濃度が慢性的に高い状態、あるいはHDL(善玉)コレステロールが少ない状態を脂質異常症といいます。最近では悪玉に「超」がつき、動脈硬化をさらに促進させる超悪玉コレステロールとよばれる小型LDL(酸化型)コレステロールやレムナントコレステロールの存在が知られてきており、従来の治療のみではリスクの改善がよくないケースもあり、治療にあたっては十分な評価が必要です。特に糖尿病・肥満・HDLコレステロールが低めである方は注意をしなければなりません。

元来、コレステロールは細胞膜・ホルモン・胆汁酸をつくる材料として体に必要なものですが、これが多すぎると動脈硬化を誘発し、少なすぎると免疫力が低下します。

他の生活習慣病と同様に自覚症状がほぼありません。多くの方は、血液検査や健康診断で指摘されて気づかれます。そのまま放置をすれば動脈硬化が進行し、狭心症・心筋梗塞や脳卒中・腎臓病などの発症原因となります。

発症の主な原因は、過食、偏った食生活をはじめ、嗜好品(タバコ・お酒など)の過剰摂取、運動不足などの環境的要因が重なって引き起こされると考えられています。閉経による女性ホルモン不足でも起きます。また、甲状腺機能低下症やクッシング症候群・ステロイド製剤の服用、ネフローゼ症候群といった続発性のケースもあり、これらを治療することで脂質異常が劇的に改善することもあるので、はじめに鑑別・評価が必要です。家族性高コレステロール血症は遺伝性の疾患であり、診断あるいは疑いがあれば早期より治療介入しなければならない重要な疾患です。これらの有無を評価した上で治療の適応について検討します。

※脂質異常症コントロール 疾患予防ガイドライン

治療に関して

治療の基本は、生活習慣の改善(食事療法・運動療法)と薬物療法になります。生活習慣の改善策としては、栄養バランスのとれた食生活、適正体重を維持するための適度な運動、禁煙などが挙げられます。

そのなかでもとくに大切なのが、適切な食生活ですが、高LDL(悪玉)コレステロール血症の方と高中性脂肪血症の方では、多少食事療法が異なります。前者の方であれば動物性脂肪およびコレステロールを多く含む食品を減らします。しかしながら、LDLコレステロールは食事による影響は少ない(関与は2-3割程度:残りは体内での合成過剰など)ため、食事療法のみでは改善しないことが多いのです。しかし、酸化型(超悪玉)コレステロールが多い方は食事による改善が期待できます。したがって、まずはきちんとした評価が必要です。一方、後者の方では、糖質・脂肪分の多い食品を控えるほか、摂取エネルギー(カロリー)を抑える必要があります。運動療法では、無理のない軽度の運動を1日30分以上(可能であれば毎日)行うようにしてください。

このような食事療法や運動療法でも効果がみられない場合は、コレステロールや中性脂肪を低下させる薬物療法が行われますが、まずは原因・病態を十分把握した上で適切な薬物の選択をすることが望まれます。

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